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2022年3月

2022年3月13日 (日)

それでどうするわけでも

 それでどうするわけでもないが、知っておくべきことはあるはずだ。伝令が出て行ってすぐにまた足音が聞こえてくる。今度も赤い旗を付けた兵だ。

 

「申し上げます! 許都より魏軍が進軍してきております。『郭』『孟』『王』『蔡』を掲げた軍勢凡そ四万!」

 

「郭淮に孟達、王忠と最後のは誰だ?」https://topick.hket.com/article/3001018/%E7%B6%93%E8%A1%80%E9%81%8E%E5%A4%9A%E8%87%B4%E9%A0%AD%E6%9A%88%E5%8F%8A%E8%B2%A7%E8%A1%80%E3%80%80%E8%97%A5%E6%80%A7%E5%AD%90%E5%AE%AE%E7%92%B0%E5%8A%A9%E6%B8%9B%E7%B6%93%E9%87%8F%E3%80%80%E5%A9%A6%E7%94%A2%E7%A7%91%E5%B0%88%E7%A7%91%E5%BC%B5%E5%87%B1%E6%99%B4%E9%86%AB%E7%94%9F

 

 側近らに尋ねると、董軍師が「それは征西将軍の蔡応でしょう。将軍とは言いますが、儒家の系譜をたどることができる人物です」なるほどの所見を述べて来た。治績をあげての将軍任官なわけか、そういうのも当然いるだろうさ。

 

「そうか、防衛は李項に一任してる、あいつなら守り切ってくれると確信している」

 

 いよいよ押されてきたらその時は北営軍を繰り出すまで。李項からの報告の伝令もやって来て、俄かに本部が慌ただしくなってきた。何人かが同時にやって来ると、一人だけ旗色が別物だったのでそいつの報告を先に聞くことにした。

 

「督白鹿奮威将軍陳式の手の者です! 魏より『于』『曹』の軍旗を掲げた一団が亡命を求めて接近し、『文』の軍勢が追っていましたのでこれを保護致しました!」

 

 于圭と曹植か。馬金大王の後続が詰めてくれたおかげで出撃する余裕が持てたわけだな!

 

「それらは俺と繋がっている、沙汰があるまで客人として扱うように陳将軍に伝えておけ。郤参軍、長安の費将軍へ使いを出すんだ、曹植らを迎えにいかせろ」

 

「御意」

 

 まずは亡命政権の準備をさせるぞ、費偉ならば孔明先生と諮って上手い事やってくれるはずだ。仕置きを終えると順番待ちさせていた伝令の報告を順番に確認していく。

 

 あと数人というところでまた一人が駆け込んできた、お馴染み赤い旗だ。後ろにつくように指図されるがそれを振り切って強引に前に来ると片膝をついて礼をする。「大至急申し上げます! 成都にて李厳前将軍が反乱を起こしました!」

 

「むむむ、ついにやったか!」

 

 だが身動きがとれん、だからこその今だな。こうなることは想定済みだ、無論俺が監視していたことなど李厳のやつも承知だろう、込み入る時を待っていたわけだ。

 

「孔明先生はどうした」

 

 首都の防備とは別に、親衛隊OBと兵らを預けている、易々と害されることは無いぞ。

 

「丞相はご無事ですが、李前将軍が皇帝陛下を擁して丞相を解任するとの詔勅を発布致しました。首都は大混乱に陥っております!」

 

「なんだと!」

 

 孔明先生の方にばかり気が行ってて皇帝の方は目が行かなかった。北営軍を引き抜いたんだ、こうなることは想定出来ただろう! これは俺のミスだ、いくら李厳が無茶を言おうと孔明先生が蜀の実権を失うことはないはずだ。だが確かに大混乱だろうな。

 

「心配はない、丞相が丞相たるゆえんはその才覚にある。試みに聞くが俺も罷免されているのではないか」

 

「録尚書事として李前将軍が詔勅を発布、島介の全官爵を剥奪すると」

 

「俺の方は官職だけでなく爵位もか、まあ納得ではある」

 

 苦笑いしてしまった。だが孔明先生は政敵ではあっても恨みはないと解った、俺と違ってね。だからこその丞相、恐れ入るとはこれだ。 時間はかかっても自力で回復させてくれるだろうが、俺はどうやって支援をしたものか。ことここに至って必要なのは武力ではなさそうだからな。

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